2014-07-28

BaPA 卒業と僕が学んだ ART&CODE の話

7/26, 27 に渋谷ヒカリエで BaPA 卒業制作展が行われ、4ヶ月に渡るBaPAの成果を発表してきました。
結果はアンケートの集計でユーザー投票2位!!嬉しいです^^
見に来てくださった方々ありがとうございます!!

東京都・渋谷ヒカリエで次世代クリエイター養成学校「BAPA」の卒展を開催中

BaPA卒業制作展で出したプロダクトについてと、BaPAのコンセプトであるプログラミングもデザインも両方できる人材育成、ART&CODEについて79が学んだことを書いてみます。ちょっと長いですが、お付き合い下さい。

BaPAとは


BaPA は BasculeとPARTYがはじめた ART&CODE の学校です。授業は全10回あって、テクニカルディレクションやアートディレクションみたいな座学と、卒業制作を並行して行われました。

閑話休題ですが、サイバーエージェントだと PARTY も Bascule も全然知名度なくて、BaPA に通ってるって言う時は毎回「ぱーてぃーとばすきゅーるっていう有名な web の広告制作会社があって...」みたいなとこから話さないといけなかったです。社内からはなんか79は色々やってるんだなぁくらいにしか見えないんだろうなと思っていました。
実際PARTY知ったのもgggの展示見てからだし、僕も例外ではないのですが。

つくったもの


おとしもの

おまもり型のほっこりナンパツールを作りました。





渋谷をテーマにした作品を作る中で、我々のチームは(グループワーク形式の製作でした)

渋谷はナンパが多い→出会いが多い→「出会いの街、渋谷。」

をコンセプトにして企画を進めていました。
出来たのがこの「おとしもの」で、拾ってくれた人とチャットが出来るようになっています。詳細についてはまた別に書こうと思ってます。

「おとしもの」製作

製作にあたって手に入れたスキルがミシンでの裁縫と、シルクスクリーンでのプリント、レーザーカッターの操作です。BaPAって本当に成長できてすごい(白目)

おまもりとそれを入れる桐箱の製作過程はこんな感じです。

レーザーカッターは木目によって色味が違ったりするので、
木目によって細かく出力を調整しました

シルクスクリーンではなく、今回は版下データを布用インクジェットプリンタで印刷して一緒に印刷したトンボに合わせて裁断しました。

ミシンで裁断したところをロックします。

裏返して穴を空けてヒモを通す穴をあけてるところ。

こういうちゃんとした素材があるものは失敗できないから怖いです。デジタルは甘え。
この過程を乗り越えて、何とかする力(物理)が付いてきました。

途中のボツ案での過程

4ヶ月もあった BaPA ですが、「おとしもの」製作に入ったのは最後の2週間くらいです。
それまでに「出会い」をコンセプトにした企画を数十個は考えていたのですが、どれもゲスい方向に行ってしまい、最後の授業で伊藤直樹さんに「女性の気持ちを全く考えられていない」と男として最低の評価を頂いてしまいました。
実際配布していたビラには展示3週間前にボツにされた企画が掲載されていたりします。

その間も検証を兼ねて、プロトタイプで Arduino や openFrameworks、iOSアプリ開発、BLE(Bluetooth Low Energy)、その他電子工作みたいなスキルが沢山付きました。


ART & CODE について

ART & CODE、デザインとプログラミングをやっていく上で色々感じたことを書いていきます。

企画のデザインについて

ボツ案での過程にもあるいろんな検証は技術力、コーディング力がないと出来ないものが多いです。ただ、それが出来るだけってのはあまり意味が無い。それを企画に上手くつなげるバランス、企画のデザインが大事なんです。

今回のグループワークでは皆が納得する企画がなかなか出ず、出たとしてもゲスすぎたり、先生方にボツにされてしまう企画が多かった。それは企画のデザインが上手く行ってないだけなんです。

「アガる」モックアップ

何かを作ったり考えたらすぐにモックにして見せないとダメ。自分の感覚信じ過ぎて勝手にやりきってしまうと苦労します。何度も失敗したのでこれはガチ。

見られるのは大事。今人生で初めて(コスプレのために)見せるために鍛えてるけど、凄くモチベーションが高い。見せるってのはデザインでもプログラミングでも筋トレでもなんでも大事なんだなと思いますw

あとはディスプレイ内完結のものを作っている方が楽でした。というかその時はコーディングしてるので凄く作業してる感じがあった。
物を作るには素材が必要で、マテリアルがデジタル完結しなくなる途端にプロトタイプの速度が落ちる。面白いかどうかの検証が空論になり易いのでそういう企画をするときはちゃんと時間をとらないといけない。

瞬発力は大事だし、凄くチカラもつく。やりたい!面白そう!と思ったらまず最初の「アガる」ところまで試してみる。
モックで作ったモノがいい感じに仕上がると「アガる」ので次の発想に繋げやすいんです。

チームの目線を合わせる

衝突し合うチームで方向を合わせるには誰もが納得するスーパーアイデアを出すか、実際にモノを作って立証するしかない。文句や討論では解決しないこともあるのだと思いました。
だめだと思う時は、だめだと誰がみても分かるところまでプロトタイプを最速で作るのが一番コンセンサスが取りやすく成功率があがりました。特に、上手くいかなさそうなときはすぐに分かる。

最後の最後も実際に中途半端だと思っていた案を作ってみせて、言っただけでは伝わらなかった懸念点をもう一度洗い出しました。
作る前後で反応が違う。グループワークでは、皆の感覚が短かったり遠すぎたり別の方向をみたりしてて、現物を見ないと話にならないこともある。
(逆に一人でやるのは最高に気持ちいい。オナニーと一緒でぼくのかんがえた最強の○○をやればいい。自分へのネガティブチェックが緩ければよりたのしい。しかしそんなものは大抵クソだったりします。)

今回 BaPA ではメンバーの皆でやりきって凄く良い物が出来た。グループワークの辛さと楽しさを両方経験できて良かったです。(仲もめちゃくちゃ良いです。)

PARTY 清水幹太さんから教わったデザイン

BaPA と通じてデザインの意味が凄く良く分かりました。
後半は決まらない企画について、泣きつくように尊敬していたカンタさんに相談しまくっていたのですが、その時にあったデザインの話です。

カンタさん自身は元デザイナーでデベロッパーになってからデザインできるようになったそうです。
そのデザインっていうのは根拠が必要で、なんでその手段を選んだのかというのが説明できないといけない。

企画を技術面やインターフェース、体験、色んな視点からデザインする。
企画を狙い通りに機能させる、辻褄を調整するのもデザイン。
絵を作ることだけがデザインではなく、企画を成立させる≒デザインするということなんだなぁと解釈しています。

ワガママ言うと「おとしもの」はもっと ART & CODE したかった。企画をデザインするチカラが弱かった。そのチカラは後半やっと出し方が分かった。少しは成長できたんだなぁと思います。

BaPA を終えたその後

BaPA は凄く刺激的で、今の仕事には無い制作・モノづくりの楽しさが沢山あふれていました。
今の仕事に直接活かすには難しいのですが、デザインの考え方、企画の進め方みたいなところはものすごく活きると思います。
あとバスキュール朴さんが最後に言っていた、「出来る人は締め切り前の追い込みが最初から出せる」というのもちゃんと心がけたい。

こういう場に飛び込むのは凄く大変なことだし、やってる間は心の底から「逃げちゃダメだ」って言えたと思うし、そういう時はやはり美女になりたいと思う。週末のBBQを楽しみに生きたい。話がそれました。

「おとしもの」は今後ブラッシュアップして別のところで発表できないか検討中です。
どこか記事とか展示とかで扱ってくれないかなぁ。(チラッチラッ

辛くて楽しい製作の日々が終わってしまいましたが、いろんな人を巻き込んで、今後も仕事以外で色々作っていきたいと思います!
面白いモノ作りたい人一緒にやりましょう^v^!!

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