2008-09-09

見守りシステムとは

”見守りシステム”開発者としての”見守り”に対する持論。



”見守りシステム”と、”監視”システムは紙一重であることが多い。

”見守り”とは密着しすぎた関係では成立しない。むしろ”淡いやりとり”が必要である。

”見守りシステム”に必要なものは普段の生活に自然と入り込む”さりげなさ”。

”見守りシステム”に必要なものは緊急時だけに使われるものに無い、普段からの”使用感”。

”見守りシステム”に必要なものはシステムを使ったことに対する”リプライ”。

”見守りシステム”に必要なものは見守る側と見守られる側との”信頼関係”。



人間、特に日本人では監視カメラや、防犯センサーが身近に合ったりすると、それに対して警戒心を持つことが多い。
見守りにカメラやセンサーなどを使うということは、見守られる側に警戒心を少なからず持たせることになるはずである。

見守られる側にもプライバシーはある。べっとりとした過保護な見守りは、わずらわしく感じられることが多い。そっけなくても、双方の負担とならない付き合いが必要である。

普段の生活にいきなり監視カメラや謎の機器がドカンと部屋に置かれる。この時点で「監視」という意識が芽生える。見守られる側は身構え、この監視をストレスに感じる。これを回避するため、普段から使っている機器をシステムのインターフェース部に使うことが重要である。

緊急通報系のシステムで一番問題なのは「使用感」がないということ。緊急なときにあればあんしんかと思いきや、緊急なときにちゃんと動作するのか不安、倒れたら上手く使うことが出来ないかもしれない不安、緊急事態になるかもしれない不安のほうが大きいという現状を無視した「備えあれば憂いなし」な見守る側の自己満足のシステムではいけない。
普段から使っていることが分かる「使用感」は重要である。普段から使われるということは、多少なりとも手間はかかる。それは人の手がかかることだが、そこを自動化してしまったら”見守り”では無くなる。その手間を最小限にするのがIT技術の役目だ。人とのつながりがあり、血の通っているシステムにしなければならない。

「使用感」を満たすひとつの方法として、システムを使ったことに対する「リプライ」がひとつの方法である。ここでは見守る側との接点においてリプライを見守られる側に与えることが有効とされる。他にも様々な方法が考えられるが、見守る側とのリアルでの付き合いは必須である。

何よりも必要なのは見守る側と見守られる側との「信頼関係」。
面識も無いところから見守られるのは、特に高齢者からしてみれば「余計なお世話」もしくは昨今の状況では「オレオレ詐欺」などの詐欺の類と同じに感じるだろう。
両者との何らかの血縁だったり、金銭契約しているような信頼できる関係が大事。



「一人暮らしあんしん電話」ではこれら条件を満たすことが出来た。
「一人暮らしあんしん電話」システムの構築とフィールドテスト
この定義は私が普段の研究、打ち合わせ、仕事、生活、学会発表などを通じ、感じてきたものだ。
今後も考えが変わったり、思いついたりしたときに更新していきたいと思う。


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